医療法人医誠会 城東中央病院
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病院長よりご挨拶

がん緩和ケアを考える

城東中央病院 病院長 福田 隆


image 先日緩和ケア研修会に参加して来ました。緩和ケアとは、主にがん患者さんとそのご家族が直面する身体的、精神的苦痛を和らげるための医療、看護の事です。ご承知のようにがんはわが国の死亡原因の第1位であり、年間34万人近くの方ががんで亡くなられています。2007年にはがん対策基本法が施行され、現在国を挙げてがん対策が進められています。その一環としての研修会であり、がん診療従事者への緩和ケアの普及を目的としたものです。

 最近の調査でも、がんになった時に、「安心して治療を受けられる」と答えた方は約20~50%、「苦痛や心配に十分対処してもらえる」と答えた方は約20%にしか過ぎません。また、進行したがんとなった時に希望する療養場所は、自宅が約10~40%、緩和ケアを専門とする病棟が約30%です。しかし、実際に患者さんがお亡くなりになられる場所はほとんどが一般の病院で、自宅、緩和ケア病棟は10%以下です。すなわち、日本ではまだまだ緩和ケアが普及しておらずそのための医療環境も整っていないと言えます。当院のような一般病院でもがん患者さんの診療が増えて行く中で、患者さんの苦痛や不安を和らげて安心して療養生活を送っていただくため、緩和ケアの充実が急務と考えています。

 ところで、国立がんセンター名誉総長の垣添忠生先生が書かれた「妻を看取る日」(新潮社)と言う本があります。これは奥様をがんで喪われた筆者が、いかに奥様を愛されていて、その喪失がいかに大きかったかを綴られた記録です。その中で見られるがん患者さんとご家族の悩みと悲嘆の大きさを、我々は十分理解した上で緩和ケアを行っていく必要があります。

 がん緩和ケアは、専門的な知識と経験が必要であると同時に、がん患者さんおよびご家族の人生や価値観と向き合っていく難しい面もあります。しかし今後もその需要は高まる一方であり、当院も少しでも地域緩和医療に貢献できるよう努力していきます。

2010年8月

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